SAILING POEMS

If you are good enough, someone will notice.

育児

電通報2010/11/1 応用問題を解く秘訣

ノーベル賞を受賞した鈴木章氏いわく、「資源のない国には人間の頭しかない」。同感だ。でも残念ながらその「頭」は、子どもの頃から自力でジワジワと培うもので、人からもらうことはできない。だから親たちは、子どもを“いい学校”に入れることではなく、ど…

中学受験初日

今朝5:00の暗がりでKは私につぶやいた。 「やっと始まるよ。3年待ったから」。 静かな武者震いに、こっちまで震えが来た。目の色が変わったのはこの1カ月だが、3年間の小さな積み重ねが体に詰まっているのだろう。重い。12歳のやたらと重い言葉。 講堂で5時…

電通報2007/10/1 詩、言葉と出会う

この夏、小2の娘が初めて詩の本と出会った。娘の名前は「詩(うた)」という。なのに、詩の本を一冊も持っていなかったので、ぜひ読んでみたいと思っていたそうだ。書店で選んだのは、金子みすゞの詩集。気に入った一節を夏休みの日記に書きとめたら、クラ…

電通報2006/7/17 ホリスティックなスイミング

いよいよ夏本番、娘の小学校でもプールの授業が始まった。たいして泳げないのに、とても楽しいと言う。聞けば、友達とつながって、先生が作ったうずまきに身を任せたりしているらしい。自然に体がふわっと浮いて、不思議な感じがしたと大喜びしていた。 その…

電通報2006/5/1 問題を見つける力

この春、娘が小学校に入学した。毎日一枚ずつ、お知らせの載ったプリントを持ち帰ってくる。登校初日は、プリントの隅に「1にちめ」とあった。数字の部分が点線で印刷されていて、子供がその上を鉛筆でなぞるようになっている。毎日続けていけば、一年間で自…

電通報2006/2/27 曖昧なもの

子供は得てして“素朴な疑問”を発する。「何でまた夜になったの?太陽が月とケンカして負けちゃったのかなあ」などとつぶやく。もし、この段階でネット検索の存在を知ってしまったら、想像力は順調に発達しないだろう。 曖昧なものは曖昧なままでいい、と『東…

電通報2004/12/6 米国流家庭教育

先月、仕事でニューヨークに出張したのだが、近郊の一般家庭を訪問する機会があった。質実剛健な両親と、子供四人。にぎやかな大家族という印象を受けた。異例の来客に対し、十七歳の長男マイクは全く人見知りせずに議論に加わってきた。 他にも何軒か訪れた…

電通報2004/3/15 脱マニュアル人間

先日、四歳の娘がクッキーの缶を開けたら、残りはニ枚だった。そこで、このニ枚をあなたと弟とママの三人に均等に分けてね、と頼んでみた。三等分のやり方なんて知らないから無理だろうとたかをくくっていたら、彼女は試行錯誤の末にニ枚とも粉々に砕いた。…

電通報2000/11/6 デジタルママ登場

先日ある調査を実施したら、子育て中のインターネットユーザー主婦は、デジタル先端層だとわかった。二人に一人がデジタルカメラを持っており、オンラインショッピングやネットオークションの経験者だ。また、三人に一人がネット接続できる携帯電話を持って…

電通報2000/4/17 共感的誘導

夜、子供を寝かしつけるのは一苦労である。生後十カ月ともなると、子守唄などは全く効かない。最近やっと見つけた最善策は、いっしょに横になって寝たふりをすることだ。上手に寝息をたてれば、効果は倍増する。 眠くないはずの子供が、寝ている親の様子を真…