SAILING POEMS

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電通報2010/11/1 応用問題を解く秘訣

ノーベル賞を受賞した鈴木章氏いわく、「資源のない国には人間の頭しかない」。同感だ。でも残念ながらその「頭」は、子どもの頃から自力でジワジワと培うもので、人からもらうことはできない。だから親たちは、子どもを“いい学校”に入れることではなく、どうしたら「頭」の芽が育つのかについて工夫を凝らすべきだ。

取材で出会ったある父親は、算数の応用問題が解けない娘に対し、「制限時間をとっぱらって、何日かかってもいいから、解けるまで、もがいて考えてごらん」とアドバイスしていた。問題文を違う言い方で表現してみるとか、百回音読するとか。

応用問題が解けないのは、考え抜いて自力でわかった「成功体験」がないことが原因だという。一つでも正解できれば、その後ほかの問題が分からなくても、自分が考え足りないせいだ、根性がないせいだ、と思えるようになる。

天才ではない大多数の人にとって、「考える」とは「ウーンウーンとうなること」。その父親は、「できないと思っているほとんどの物事は、考え抜けば解決できる。だから、自分は今でも毎日うなっている」と話してくれた。よし、今からでもうなってみるか。