いよいよ夏本番、娘の小学校でもプールの授業が始まった。たいして泳げないのに、とても楽しいと言う。聞けば、友達とつながって、先生が作ったうずまきに身を任せたりしているらしい。自然に体がふわっと浮いて、不思議な感じがしたと大喜びしていた。
その昔、泳ぎの苦手だった私にとって、プールの授業は苦痛だった。四泳法に次々と挑戦し、泳げる距離を伸ばすことが求められた。なかなか上達しないときは、息継ぎ、手の掻き方、キックの仕方と課題がある部分を個別に練習させられた。
娘は、水に浮くことに重点を置いた指導を受けている。顔に流れる水滴を感じ、力を抜いて、のんびり水に浮いてみる。呼吸によって自分の体はどのように変化するのか。体と意識のコントロールができるようになることを目指している。川や海に落ちた場合を想定した危機管理の側面もある。
これは、全体を大きな有機体として捉える「ホリスティック」志向に通じる。局所的調整ではなく、体と水を合わせた全体で調和をとる。ヨガ、デトックス、医食同源などは、ホリスティック志向の代表格だ。娘は水と一体になりながら、泳ぐことを楽しむ人生をおくるだろう。うらやましい限りである。