SAILING POEMS

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アニメと広告の相性に関する考察

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先日、全編アニメで作られたプロモーションビデオ(ブランデッドアニメともいう)をみていたとき、何かひっかかるなーと感じた。なんだろう、、、とよくよく考えたら、わかった。アニメ動画では、リアルな状況では絶対に言わないことを全部口に出して言っている。これが違和感の原因だった。

例えば、いちいち「うれしい💛」と声に出したり、つまづきそうになるときに「きゃっ!危ない!」と叫んだり。父が娘に「おまえ、ほんとうは就職なんかしないで大学に行きたかったんだろ」と目を見つめて直接話しかけたり。現実のシーンでは表情の微細な変化としてあらわれるだけで、あえて言葉にはしないことを、ことごとく言語化して発話している。

なぜか。そうしないと、絵の情報量の少なさを補えないからだ。どんなに細かく実際の風景や人物などを模写しても、実物のほうが汚れや無駄が多い。アニメのほうが、風景も、表情も、絵がきれいで、単純化されている。

視覚的に入ってくる情報がシンプルだからこそ、音声で言いたいことを全部言っても情報過多にならず、頭にすっと入ってくるのだ。

一方で、アニメでは、実写では撮れない動きを表現することができる。例えば、スプーンですくったゼリーを、プルンプルンに揺らすことができる。実際にはそこまでは揺れないのに。それによって、よりゼリーがおいしそうに見える。

結論。アニメと広告の相性はとてもいい。