せっかく自由な学校に入ったのに、片手で数えるほどしかない「練習の厳しい運動部」であるバスケ部に入部したK。夏休みに入ってからもほぼ毎日通っている。
中1たちは、先輩の練習している端で、ひたすらダッシュ。何時間も、何往復も、何キロも。一人でも遅れると、連帯責任でもう一往復しないといけないから、みんな必死だそうだ。
「ずっと走ってるなんてつまらないね」と率直な感想をUがつぶやくと、Kは即座に「つまんないとか、そういう次元じゃないんだよ。ただ走るだけ。考えてない」と言ってのけた。
かっこいい。これが部活ど真ん中というものか。毎朝重たい足を引きずりながら会社に向かっている自分が情けなくなった。「ただ働くだけ」とクールにいきたいね。
ときに子どもは、親の知らない境地にたどり着いていて、びっくりすることがある。感嘆し、素直に見習いたいと思う。
部活時のKの精神は、無重力状態にあるかのようだ。恐るべし。