SAILING POEMS

If you are good enough, someone will notice.

白髪が!

昨日、一か月前まで一本もなかった白髪を15本も見つけてしまった。ゼロだったときは、もし白髪が増えても染めずにナチュラルでいこうと考えていた。が、実際に生えてくると、何種類もの気持ちが湧いてきて、簡単には割り切れない。

やはり何か無理をしているせいか。いや、ただ年をとっただけか。母には容赦なく「私はもっと遅かったわよ」と言われ、落ち込む。確かに母は長い間黒かった。

このままババッと増えたら、間違いなく職場では「ストレスだな」と陰で言われる。それも完全否定できないだけに、シャクだ。

モヤモヤしたままアルコール度数の高い缶チューハイを飲んだら、頭痛と吐き気で明け方まで寝られなかった。気持ち悪いまま出社して、夕方になってから、この歳だと90%の人に白髪があるという情報を得たが、頭痛と吐き気は一向に収まらず。みんなが白けりゃ怖くない、というものではない。極めてパーソナルなテーマなのだと、身をもって知る。

なってみないとわからないなんて、私もまだまだだ。「アンチエイジング」なんて薄っぺらい業界用語だ。

……と、家までの道を歩きスマホでブツブツ書いていると、向こうから、近所に住む78歳の父が、ポロシャツに短パンにスニーカーで、姿勢よく颯爽と歩いて来た。颯爽ぶりは、ゴルフとヨガを楽しんでいるだけのことはある。ただ、頭髪は真っ白。というか、白銀。うん、颯爽と白銀ってのも悪くはない。ここはひとつ、見習ってみるか。