SAILING POEMS

If you are good enough, someone will notice.

Sさん、ありがとうございました。

今日はお世話になった大先輩の最終出勤日。昼にサプライズの御礼の会が開かれた。億単位のフィーを稼ぎ、役員にまでなったのに、威張ったところが全くなく、紳士で、心がある、うちの会社では珍しい人物だ。

かつて大きな仕事に呼んでくださり、「やったことのないことにチャレンジしろ。大丈夫だから」と背中を押してくれた。大船に乗った気持ちで、未体験の荒波に何度もひっくり返りながら、3年間続いたその仕事のおかげで、私は勇気と自信をもらい、以降仕事で怖いと感じることはなくなった。感謝してもしきれないのに、いざ面と向かうと「ありがとうございました」しか出てこない語彙の貧しさに苛立ち、別れの挨拶で泣いちゃった某局長の涙がうらやましく。僕は皆さんといい仕事ができればいいと思っていたから、仕事以外の交流はしないたちだったので、こんな会を開いていただけるとは思っていませんでした、と柔らかく語る様子がうれしそうで。そう言えば、この人が大笑いするところを見たことがないなあ、でも笑顔なんだよなぁ、鋭い意味の言葉も穏やかに出てきたなあ。

その大仕事において私にはどういう存在意義があって、どうやれば単身で乗り込んで稼げるかを早口で短く教えてくれた。本当に早口だから聴き漏らさないように必死だった。

今日は、開口一番に「最近の調子はどう?」と訊かれ、モグラ叩き状態だと話したら、「それはよくないね」とバッサリ。そう、よくない。やっぱり本質を突かれてしまった。なんとかします、Sさん。

本の出版、楽しみにしています。いつか再会できるときに、絶好調です!と言えるよう、もうちょっともがいてみます。

心から、心から、

ありがとうございました!