SAILING POEMS

If you are good enough, someone will notice.

電通報2013/4/1 ママラボ

21年前に入社したとき「人とモノのあいだに自分が入ることで、その人にとって想定外のワクワク体験を提供したい」と漠然と考えていた。小さい頃からしかめっ面の人を笑わせるのが得意だったので、広告会社には向いている気がしていた。

試行錯誤を経て、数年前に電通総研にママラボを設立した。母親や子どもの案件に関わるうちに「ママが笑えば日本も笑う」と思うようになったから、というのは表向きの理由で、実は、ある母親向け商材の競合プレゼンに負けた悔しさで立ち上げたのがママラボだ。

二度と負けないためにも、個人単位で仕事を受けるのでなく、ワクワクする課題解決策や新ビジネスを、チームで生み出したかった。一貫して心掛けたのは、徹底的に顧客の気もちになって考えることと、モノやサービスの魅力について考え尽くすこと。どちらが欠けてもうまくいかなかったと思う。

後継者たちに伝えている“ママラボ十則”の第1条は、「面白くて役に立つアウトプットを!」。面白いだけでも、役に立つだけでもダメ。どちらも最高水準を目指すべし。新入社員の皆さん、志高く、粘り強く、道なき道を切り拓いていかれますように!