SAILING POEMS

If you are good enough, someone will notice.

電通報2005/10/3 一人内二極化消費

我が家の近所に行列のできるドイツパンの店がある。隣県から買いに来るファンもいるらしい。味は文句なしだが、一つがっかりすることがある。それは、客のマナーの悪さだ。レジの列に割り込む。高級外車で乗りつけ、平気で路上駐車する。そのせいで店の前の道路は、いつも渋滞している。

いいクルマに乗り、高くておいしいパンを食べる。でも、その心は貧しい。言うまでもないが、真の贅沢とは高いものを買うことではない。最近の消費トレンドをみても、経済的に余裕のある人たちの間で、お金をかけることとかけないことのメリハリをつける「一人内二極化」消費が広がっている。

特に、お金をかけないほうについては、ただ安ければよいというのでなく、安い上に高付加価値なモノを求める動きが顕著だ。

例えば電通の調査でも、高価なブランド豚に興味のある層の大半が、安価でヘルシーなジンギスカンの店にも興味を持っている。少人数でゆったり食べる場合と大勢でワイワイ飲む場合などを上手に使い分けている。これぞ「堅実かつ優雅な生活」である。「上品に美しく暮らす」にはどうしたらよいのか、常に意識していたい。