SAILING POEMS

If you are good enough, someone will notice.

痛いほどわかったこと

f:id:sailingpoems:20190608155335j:plain がんになったとわかって

絶望の谷底に突き落とされても、

心の傷は、家族や友人や仕事仲間の心からの手当てで癒える。

あちら側にいかせるわけにはいかないんだと、

全身全霊をかけて谷底から引っ張り上げてもらった。

祈りには治すパワーがあると本で読んだので、直感で祈ってくれそうにみえた人には、がんになったことをどんどん伝えた。女の人には健診の大切さを伝えたいとも思った。

術後にあの人がんらしいよ、なんて噂されるくらいなら、術前に自分から伝えて祈りのパワーに助けてもらいたかった。

そうしたら、

自分でも信じられないスピードで心は回復した。

ありがたい。

私は幸せ者だ。

生まれてきてよかった。

産んでもらってよかった。

死はいつか誰にでもやってくる。

がんを経験しても意外と長生きしたり、健康でもある日突然亡くなることだってある。

要は「いつ死ぬか」を論点にしても無意味だということ。

「今をどう生きるか」がすべてなのだ。この瞬間、瞬間が大切なのだ。

だから、がんの進行度をあらわす「ステージ」という言葉を「余命」と結びつける発想が大嫌いだ。ナンセンス、時間の無駄。論点はそこじゃない。

いったん突き落とされたおかげで、今の私には、「今をどう生きるか」を迷わず選びとっていける確信がある。

体はリハビリが必要だが、心、精神、魂は、滝の水流ばりの勢いでデトックスされて、がんになる前とは全く違うものになり、人生最大級のエネルギーに満ちている。

退院したら、新しい人生を歩む。

まずは強靭な心が、弱った体を回復させるだろう。

そして心身がいい感じでつながったとき、今度は私が、弱っている人の役に立てると思う。

不幸中の幸いで、早期発見されたのは、まだやりたいことも、やるべきこともやっていなかったからだと思う。

いいからやれ、好きなようにやってみろ、と空の上の大きな存在から言われている気がする。

まだ胸に二本管が刺さって滲出液を吸い取っていて、傷口痛くて肩は上がらないし、歩くのもたいへんだし、1ヶ月後に出てくる病理検査の結果も心配だけど、

新しい人生が楽しみで楽しみでしかたがない。

支えてくれた皆さま、

祈ってくれた皆さま、

ほんとうにありがとうございました。