SAILING POEMS

If you are good enough, someone will notice.

電通報2011/12/5 努力を褒める

優秀な新入社員や、成績の良い子どもには、つい「頭がいいね」と声を掛ける。だが、この褒め方は、さらなる成長の妨げとなるそうだ。スタンフォード大学の心理学者キャロル・ドゥエック氏の研究によれば、知性ではなく、努力を褒めた方が伸びるという。「よく頑張ったね」の方が効果的なのだ。

実験では、賢さを褒められた生徒は、自分を賢く見せたいと思うようになり、間違いを犯すリスクをとれなくなった。簡単な問題ばかり選び、自分より出来の悪いテスト用紙を見たがった。一方、努力を褒められた生徒は、熱心に難しい問題に挑戦し、自分より出来の良い結果を参考にして、さらに良い成績を収めた。

子どもが失敗してぶざまな姿をさらしたときこそ、親や教師が褒めてやらねばならない、ということか。よくぞちっぽけな自尊心を捨てて、大失敗をしてくれました、と。その結果、安心して、失敗を直視する習慣が身に付くのだ。

思い起こせば子どものころ、父から「分からないのは恥ずかしいことではない。分かったふりをするのが恥ずかしいことだ」と言われ続けたものだ。なかなかのグッドアドバイスだとようやく気付いた。家訓にしよう。