SAILING POEMS

If you are good enough, someone will notice.

仕事

電通報2007/7/9 頭に残るプレゼンテーション

中身は正しいのだが、なぜか頭に残らないプレゼンテーションがある。その一方で、がっしりと聴き手の心をつかむものもある。この違いはどこからくるのか。理由の一つとして考えられるのは、プレゼンターの「自己開示」が盛り込まれているかどうかである。 理…

電通報2005/3/21 ママのお仕事

先日、娘に突然「ママはどんなお仕事をしているの?」と訊かれて、答えに詰まってしまった。簡単に説明しにくい職種であるという以上に、自分は仕事を通して一体何を成し遂げているのだろう、という根本的な問題に突き当たってしまったからだ。 思い返せば、…

電通報2004/4/26 Men for Others

鎌倉市のある私立男子校では、「Men for Others」を教育理念としている。他者のための人であれ、自分の力を喜んで人々のために生かせる人間になれ、ということだ。「自分」が氾濫している今の時代に、珍しいほど利他的な考えだ。 この学校で6年間を過ごした…

電通報2002/11/25 なるほどそうですね

子供も三歳を過ぎると、ときに理路整然とした主張をする。私と娘の場合も、互いの主張が平行線をたどることが増えてきた。そんなときは、あえて娘の話に「なるほどね」と相槌を打つようにしている。力ずくで説得しようしても、猛反発されるからだ。 誰かを説…

電通報1998/3/2 心を揺さぶる論文

ある広告賞で「二十一世紀の広告の役割」について論文を書くことになった。有意義な提言をしたいという思いが空回りして、一文字も書けないまま一か月が過ぎた。そんな私を見て、父が言った。「君が書こうとしているのは、役に立つ文章か、それとも美しい文…

電通報1996/11/4 都市計画と広告

毎朝会社に着く直前に、二百メートルほどのまっすぐな並木道を通る。両わきの木が頭上でつながる緑のトンネルだ。一見何の変哲もないこの道には、知る人ぞ知るトリックがある。道幅が、だんだん狭くなっていくのだ。初めは二人並べるが、最後は一人分の幅に…

電通報1996/7/29 マルセル・マルソー来日公演

マルセル・マルソーの来日公演を観た。今年七十三歳になる沈黙の詩人、パントマイムの神様である。声の存在しない舞台は黒一色。スポットライトの中で、白化粧の顔と繊細な肢体が動と静を繰り返す。指先から足の裏まで、体のあらゆる部分に主張がある。その…